「保田先生のごはん塾 加古川市・西神吉幼稚園」
11月25日金曜日に、西神吉幼稚園で開催された「保田先生のごはん塾」(以下「ごはん塾」と記載)の様子をレポートいたします。

西国街道の宿場町として栄えた加古川の市街から、播磨平野を潤す加古川
の雄大な流れを渡ると、ため池の点在する豊かな田園地帯が広がります。

西神吉幼稚園はそんなおだやかで爽やかな場所にあります。

待ちに待ったかまどごはんの日は雲一つない快晴
。

地元産ヒノヒカリの新米をたくさん炊いて、秋晴れの下で秋の実りを味わいましょう。
保田先生が「今日はごはんを炊くんだよ」
と子どもたちに語りかけると、「早く食べたい〜!
」

と元気いっぱい!
でも、残念ながらすぐにはごはんは炊けません。
おいしいかまどごはんを炊くにはいろいろな作業が必要なのです。

お米をすくって四角い木の箱の中へ
。

「これは何ですか?」というかまど隊スタッフの質問に子どもたちは
「
」。

正解は「升」です。
今日は3つのかまどそれぞれこの升3杯、計3升のお米を炊いていきます。
計量が終わったら洗米
。

水道でじゃぶじゃぶお米を水につけて、もみじのような小さな手で洗っていきます。
みんな真剣なまなざし
。

でも終わったら「冷たくて気持ちよかった
」「楽しかった
」とうれしそう。


洗ったお米は釜に入れ、みんなで少しずつ水を注いで吸水させます。
その間、こんどは薪割りが待っています
。

なかなか割れない太い薪も、みんなの声援で最後まで諦めずに。
たくさん薪を割ったらかまどの中に入れ、火
を着けたらこんどは火吹き竹でふーふーとかわりばんこに空気を送り込みます
。


すると、強くなった炎の力で釜がシューッと噴きだしました。そこで火を止め、しばし蒸らしましょう
。

保護者のみなさんは保田先生の講義へ。
「脳のエネルギーになるのは、ぶどう糖だけです。
脂肪は全く関係ありません」と保田先生は、子どもたちが先生の話を理解するためには朝からぶどう糖のエネルギーを満たしてあげることが大切と説きます。
一方でぶどう糖は体を動かすエネルギーにもなります。
子どもたちは運動量が多いので、しっかりと朝ごはんを食べて、ぶどう糖が満ち足りるような習慣をつけてあげなければいけません。
一方で糖質には消える時間にも差があると保田先生。
そこで例として挙げたのが、菓子パン・食パン・ごはんの3つ。
それぞれ糖質が食べてからどれくらい持続するでしょうか?
答えは菓子パンが約1時間、食パンが約2時間、ごはんは約4時間。
「朝食をしっかり食べることはもちろん、午前中をのりきるにはごはんの朝食が理想的なのです」という説明に、保護者のみなさんも納得のもよう。
しかも「パンからごはんに変えると、田んぼを救うことにもなるのです。
みなさんはため池の保全に熱心と言うけれど、パンを食べていたら意味がない。
ため池は田んぼがあってはじめて機能するのです。
ごはんを食べることは、ため池を守ることでもあるのです」という
保田先生の言葉は説得力があります。


WHOのデータによれば、米食圏と非米食圏を比較すると、後者の方が心筋梗塞が多いと出ています。
心筋梗塞が多いということは脳梗塞や認知症が多い可能性も高いのです。
パン食だと副食に脂質が多くなりがち、バターを塗る、パン自体にもショートニングなどの脂質が含まれるなど、その要因はいろいろ考えられます。
一方でごはん中心の食生活は魚や野菜などを多く摂れ、健康的なのです。
魚の中でも日本人が昔から食べてきたいわし・さんま・さばなどの青魚には健康によいEPAやDHAが多く含まれます。
また菜っ葉や豆、海藻にはカルシウムなどのミネラルが豊富です。
また、近年では美肌効果があるケイ素について、米の胚芽に含まれるケイ素は吸収がよく、小麦のそれはほとんど吸収されないことが
わかったそうです。
なるほど、米食文化圏の人の方が、肌がきれいですよね。
「美肌のポイントは精米のときに胚芽を残すこと」と、お母さん方には嬉しい情報も。
講義が終わって、いよいよ釜の蓋をあけます。
登る湯気の向こうに白いごはんが顔を覗かせ
ると「わぁ

親子でおいしいかまどごはんを「いただきます

今日は地元の老人会のみなさんが、地野菜を使っておいしい豚汁を用意してくれました

ちなみに老人会のみなさんもかまどでごはんを炊きましたが、出来映えは子どもたちに軍配!
おかわり続出ですっかり釜は空っぽに。
かまどごはんがエネルギーを満たしたのか、
「ボクは2杯食べたよ
」
「私は3杯
」
と元気いっぱいの神吉っ子たちでした。
「ボクは2杯食べたよ

「私は3杯

と元気いっぱいの神吉っ子たちでした。
2011.12.28 Wednesday - 00:00 comments(0)